君がいればそれだけで。
王女が国王に卑怯だと言ったのは、今の状況を知りながら国へ帰れるような三人ではないと知っているからなんだろう。王女の読み通り、ラズハルド、リズレイド、ベクウの三人は国に戻る気などさらさらないみたい。

「困りました・・・」

「あの、王女様の今の状態なら俺たちがいた方が役に立つのでは?」

「王女様が言いたいのは体が不自由な分、手加減しないから巻き込んでしまうかもしれないと渋ってしまう可能性が出てくるという事だ。渋れば負ける確率も高くなるのはいくら執事のお前でも分かるだろう?」

頬杖を付きながら考え込む王女に兄さんはどうして避けようとするのかと問い掛けていた。
< 129 / 300 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop