君がいればそれだけで。

昔の兄さんと同じでベクウたちとの別れも来るんだ。僕たちを残して自分の国に帰ってしまうんだ。やっと仲良くなれたのに。やっと友達になれてきていたのに。楽しい時間を過ごしていたはずなのに。

「えっ、何だ！？どうしたんだ！？」

「ごめん・・・っ。泣いちゃダメだって分かってるんだけどっ」

「取り合えず落ち着け！な？・・・泣くなよー！」

もうすぐ来るであろう別れを悲しんで泣いてしまった僕に驚き、慌てるベクウが友として愛しかった。もっと一緒にいたい。もっと色んな思い出を作りたいと願いながら涙を拭いている僕をベクウは覗き込んでいた。でも、暗殺一筋だったからあまりこういう状況になれていないんだろう。