君がいればそれだけで。
王女と再会できれば、ラズハルドとシオラの居場所も分かるんじゃないかって。王女なら知っているんじゃないかって。

「何だよ・・・、あの雲・・・」

「王女様がそれなりに力を出しておられるんだろう。本気を出されれば星の裏側にいても命の保証が出来ないからな」

「本調子じゃないからこれくらいで済んでるって事か?」

「簡単に言うとな。怖じ気付いたか?」

城を中心に大きな渦を巻く暗黒の色をした雲が全ての光を覆い隠そうとしていた。思わず立ち止まってしまった俺に、パルさんは引き返すかを確認してきたが今さら引き返す訳がない。
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