君がいればそれだけで。
ベクウもそうだと言っていたな。何か考えているようで何も考えていない、考えていないようでちゃんと考えている王女だからこそ見ていて面白いのだと。そばにいると楽しいのだと。

「それはそれでどうなんだ?」

「さぁ?僕に訊かれても分かんないよ。でも、パルさん見付かると良いね」

「パルさんは知ってるのか?」

クヲラは頷くとなぜパルさんを知っているのか話してくれた。王女が倒れてから今日になるまで、王女の代わりに寝かし付けてくれたそうだ。昔話をしてくれたり、王女との思い出話をしてくれたりしたらしい。なぜ王女が来てくれないのかと訊いた時も見捨てた訳じゃ絶対に無いから信じて待ってほしいと言われたそうだ。
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