君がいればそれだけで。
なるほど。呑み込まれそうになったが切り刻んで強制的に出てきたという所か。鬼の角が半分ほど無くなっているが、他は特に大丈夫そうだな。これも全身の皮膚を隠すよう言ってくれた王女のおかげだな。

「その子は?」

「王女の親友のクヲラだ。だよな?」

「うん・・・!」

ラズハルドの問い掛けに王女の親友と答えたのが本当に嬉しかったのか、クヲラは満面の笑みで私の手を握り返した。王女もきっとこの笑顔を守りたくて一緒にいたんだろうな。
そんな事を思いながらここに来てからラズハルドに会うまでの出来事を話した。目覚めてすぐクヲラと出会った事、人々が混乱して聞く耳を持たない事。
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