君がいればそれだけで。

そう来るか

不思議な人だ。昼間はあんなにも抜けていて隙だらけの方だと思っていたのに。今は寝ていたはずなのに敵を前にすると表情が変わり、円運動の力を借りて無駄な力を入れずにあっさりと胴を真っ二つに斬ってしまった。それも、自分より体格の大きな鬼を意図も簡単に。

「大丈夫か？」

「ひっ・・・！来ないでくれ！」

「落ち着いて。俺だ。パルだ」

鬼に襲われたのだから当然なのかもしれないが、俺とリズレイドを怖がるのは仕方無いか。俺とリズレイドは月の光を浴びると鬼の力が増すため、月が上に行くに連れて角が大きくなり下に行くに連れて小さくなっていく。だから、今の俺たちは鬼だと直ぐに分かる訳だ。月が出ていない時なんて髪を分けないと気付かないくらい小さいのにな。