君がいればそれだけで。
王女が殺し合いを望まない事は分かっていた。そばで何度も見てきていたから知っていた。でも、もう限界だ。こいつの顔を見る度に辛くなる表情を見ていられない。二度と見たくないんだ。
王女から手を離し、兄との戦いが始まった。防御に長けた俺と攻めに強い兄。大胆な攻撃が多いが、総合的に見れば互角か。今の状態で互角なら後に追い越されるかもしれない。 

「たっ・・・!」

「リズレイド!何で!」

「俺は・・・王女と一緒にいたいから」

屋根から飛び降りた事もあって足がもつれて振り返ると、腕が片方ないリズレイドの姿があった。俺と兄の勝負に邪魔しに来たと苛立った訳じゃない。
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