君がいればそれだけで。
ラズハルドとリズレイドの二人を目の前にして、簡単に斬れるわけもなかった。自分の背丈ほどあるラズハルドの剣に振り下ろされた兄の武器が塞き止められていた。

「三対一かい?それとも四対一にするかい?」

「バーカ。お前なんて三対一で充分だ」

「甘く見られたもんだ」

金属のぶつかる音が響く中、ラズハルドとリズレイドの見事な協力が成されていた。でも、問題はそこじゃない。そいつ、さっきより体力が落ちていないか。息切れが激しくなってきているのは一体。
不意を付いて兄の利き腕と片足を切り落とすと、少量の血液と一緒に手足が切り口から生えてきた。なるほど、これのせいか。
< 173 / 300 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop