君がいればそれだけで。
不老不死の命を手に入れてほしくないと思っている割には落ち着いていて、引き返せる前に手を止めろと忠告していた。ここまで生き延びれたのはただ単に殺してきた人々の寿命が加わっただけだったらしい。

「寿命って増えるんですか?」

「寿命を操作出来る種族を取り込んだ時だけです。少なくとも植物の種族は万の血を浴びていたようですから、そのまま寿命を吸い取って生きてきたのでしょう。・・・埋めてあげてください」

「かしこまりました」

シオラの質問に答えながら、指を鳴らして兄の遺体を骨にしてしまった。そして、兄の上着に包むと埋めてほしいと俺に手渡して来たんだ。
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