君がいればそれだけで。
王女がよく昼寝をしていた近くに埋めてあげる事にした。国に来てすぐの頃、なかなか眠れなくて聞かせてくれていたんだ。仲良い二人は昼寝をしていると外が騒がしい事に気が付いた。何事だと扉を開けようとしても開かず、外を見ようとしても窓に板が貼られていて見えなかった。
静かになってから裏口があった事を思い出し、外へ出ると表の扉には亡くなっている母がもたれ掛かっていた。町に降りても生きている者はいなかった。
どうしてなのか分からないまま生存者を捜していると、血塗れになって戻って来た父の姿が。妹が近付けば抱き締めてくれたけれど、兄が近付こうとすると腕を切り落とされた。
なぜと混乱する二人に父は恨みのこもった目で兄が仲良くなった異種族は敵の回し者だった、兄がこの事態を招いたのだと告げてから息を引き取った。それから二人は異種族でも一緒に暮らせる国を作り始めた。
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