君がいればそれだけで。
俺がなぜ王女の交友関係を知っているのかと不思議に思う召し使いもいた。でも、理由は至って単純で簡単な物。パルさんが王女の仕事をこなしていく中で俺やリズレイドがそばにいる事が多くなった。そのせいで王族との世間話を嫌でも耳にする事が増えていったんだ。
「ラズハルド、リズレイド。ちょっとこっち来て」
「あのっ、えっと?」
王女が人を掻き分けながら俺たちを引いていく。吹き抜けの二階に上がる階段の途中で止まると中央を向き直して手を上げた。
俺たちが自分の命を救ったのだと王女は声を出した。ベクウを呼ばなかったのは暗殺者という職業のため、命を助けたとなれば評判が下がってしまうだけだからだろう。後から褒美やら何やら与えるんだろうな。
「ラズハルド、リズレイド。ちょっとこっち来て」
「あのっ、えっと?」
王女が人を掻き分けながら俺たちを引いていく。吹き抜けの二階に上がる階段の途中で止まると中央を向き直して手を上げた。
俺たちが自分の命を救ったのだと王女は声を出した。ベクウを呼ばなかったのは暗殺者という職業のため、命を助けたとなれば評判が下がってしまうだけだからだろう。後から褒美やら何やら与えるんだろうな。