君がいればそれだけで。
「王女様、いかがなされましたか?」

「んー・・・、パル」

「ここにおります。お話をお聞かせください」

階段下から王女にどうしたのか訊くパルさん。どこから出てきたのだろうと驚いていると、王女は首をかしげながら不思議な様子。声は聞こえているはずなのに名前を呼んでは俺たちを見つめていた。
どうしたのだろうかと皆の視線が集まる。でも、王女は視線など気にしていない。パルさんにそばに来るよう手を扇いでは目線は変わらず俺たちを見ていた。
ここまで来るとなぜなのか聞きたくなってしまう。でも、王女はパルさんの耳元で何か喋っていた。パルさんも返事は耳元で聞こえない音量で喋り返す。
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