君がいればそれだけで。
パルさんの恋心を応援している内に、俺も王女に恋していたのかもしれない。それなら尚更、国に帰った方が良かったんじゃないのか。なんて考えていると、片付けを終えたのかヒューとシオラも入って来た。

「これからも皆で一緒にいられるんだね」

「あぁ、よろしくな」

「・・・ねぇ。この後、医務室に来てくれないかな?・・・皆に大切な話があるんだ」

何だろう。ヒューが治療以外で深刻な表情をするなんて珍しい。誰か重い病気に掛かった者がいるのか。それとも、大きな怪我をした者がいるのか。シオラがこの国に来た時みたいに、命にかかわるような人物を連れてきてしまったのか。
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