君がいればそれだけで。
ベクウは驚いたように僕の話を聞いていた。確かに城で過ごしていて、誰にも聞かれないよう内密に話すのは珍しいかもしれない。でも、知られてはいけないんだ。知られたら国の未来が危うくなってしまうから。

「もう待てないよ・・・。ベクウだけでも来てくれないかな」

「良いぜ!もう一人で抱え込めないんだろ?」

笑顔に救われた僕は皆に話そうとしていた事実をベクウだけに話す事にした。本当は皆に伝えておきたかったし、一度の話だけで済ませておきたかった。この事実が他の国に知られれば攻め込まれる可能性が出てくる。この国の弱味になっているんだ。
ベクウを連れて城の書斎に向かった。弱味はここの隠し部屋の奥にある。一応、隠し部屋の奥の扉を開けるためには掴みづらいコツがあるからそう簡単には行けない。
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