君がいればそれだけで。
国王は俺たちに気を付けろと言った。ヒューの国の王は冗談半分が多い方だ。でも、冗談はあくまで半分だ。半分は本気で言われる方である事は鬼の国王が証言している。冗談だと鵜呑みにして良い物なのか。
「色んな種族の血を万も億も浴びすぎて、私には種族が無いのよ」
「種族が・・・無い・・・?」
「魔女の魔力もある。鬼の目もある。エルフの耳もある。水掻きもある。獣の最も優れた五感もある。見た目は人間なのに爪も狩りに適してる。ゴブリンの力も器用さもある。やろうと思えば今、あなたに私の寿命を半分あげる事だって出来る。なのに、何も無いのよ。全て、似ている何かなの」
「色んな種族の血を万も億も浴びすぎて、私には種族が無いのよ」
「種族が・・・無い・・・?」
「魔女の魔力もある。鬼の目もある。エルフの耳もある。水掻きもある。獣の最も優れた五感もある。見た目は人間なのに爪も狩りに適してる。ゴブリンの力も器用さもある。やろうと思えば今、あなたに私の寿命を半分あげる事だって出来る。なのに、何も無いのよ。全て、似ている何かなの」