君がいればそれだけで。
今日からは一人じゃないと言ってくれている笑顔がどれだけ心を救ってくれた事か。

「ヒュー、この塊は何だ?」

「それが、まだよく分かっていないんだ。抜けた髪が手に入りやすいから基本髪の毛を入れているんだけど、その塊に跡形もなく吸収されているんだ。僕は心が王女様だと認識するための何かではあるんじゃないかなって思ってる」

「ここの出入り口は一つか?」

「抜け道は作っていないそうだよ。でも、分単位で繋がる壁が変わるらしくて必ず隠し部屋の奥とは限らないみたい」

一応、僕が奥に入れたのは隠し部屋の壁と医務室の机の下にある床かな。一定の法則も無いから夜更けから夜明けまで同じ場所で粘る事もある。
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