君がいればそれだけで。
ベクウがいてくれるなら何とかなるかもしれない。そう思いながら扉を開けて部屋を出るとベクウの自室の壁に繋がっていた。
本当にどこへでも繋がっているんだな。ベクウと顔を見合わせながら笑い、安心して医務室に戻り朝まで眠った。今日からは一人で抱え込まなくて良いと思うとこの国に来て初めてと言えるくらい熟睡できた。

「ヒュー、昨日は悪かった」

「ううん、良いんだ。忙しいのに気を使わせてごめんね、兄さん」

「悩み事だったのか?」

「まぁね。でも、ベクウに聞いてもらって少し楽になったよ」

王女の部屋に行く前に寄ってくれた兄さんが来れなかった事を謝ってくれた。
< 206 / 300 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop