君がいればそれだけで。
自分でも執着しすぎていると気付いているんだ。気付いてはいるんだけど心配してしまうんだよ。暫くの間、幼いまま止まっていた時間だったからまだ互いの中で大人に成りきれていないんだ。

「シオラは同性を好きになったヒューを嫌うのか?」

「まさか!私はヒューがどんな人物であろうと受け入れる!」

「なら話は簡単だ。ヒューが同性を好きでも異性を好きでも、寂しがらずに一緒にいてやれ。もうヒューの家族はシオラしかいないんだから」

今日の資料を片付けると同時に決め台詞のような言葉を吐いたパルに少しだけ胸が高鳴ってしまった。例えヒューの性格や好みが変わっても、本人である事に代わりはない。
< 212 / 300 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop