君がいればそれだけで。
パルと言えば、王女に託された国の仕事がある。だから、自分はそばにいる事が出来ないのにと妬んでいてもおかしくない話だろう。ずっと一番近くで恋い焦がれて来たんだ。何も思わないわけがない。もう少し素直になっても良いんじゃないのか。

「私の事を気にしている場合か」

「執着し過ぎて嫌われるのが怖いだけだ。お前も分かるだろう?」

「気持ちだけな」

自分の気持ちを相手に知られるのが怖いというのは分かる。相手の反応が予測できないから不安で仕方ないんだ。
私もそうだった。ヒューにもう一度会うために旅をしていた時、再会できても気持ち悪がられたらと怖かった。
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