君がいればそれだけで。
「何か知っているか?」

「ごめん、兄さん。先に上がるね」

「あぁ・・・」

重たい相談をしてしまったかもしれない。何か知ってはいる様子だったけれど、問い掛ける間もなく出ていってしまった。
ゆっくりしている理由も無し。私も上がろうと衣服を着終わりそうな所で爆発音が聞こえた。何があったのかと急いで廊下に出ても説明が出来る者はいない。クヲラも怯えてしゃがみこんでしまっている。
とりあえずクヲラを立たせ、安全であろう庭へと連れ出した。ヒューが上がってすぐに出たのに、ヒューの姿は見えなかった。そこだけが気掛かりだったけれど、今は王女の安否確認が先か。
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