君がいればそれだけで。
自分自身の体に戻れるなら何でも良いという意味じゃないよな。俺は今の王女を好きになったんだぞ。もう一人の王女がいても意味がない。尊敬できる場所なんて見出だせない。

「あなたは私。不老不死になる前の、純粋な魔女だった時の私。その体では動きにくかったでしょう?」

「私は・・・消えなくても良いの・・・?」

「消えなくても良いんだよ。私はただ、体を交換してほしいだけ。交換した後は好きに生きてくれて構わないよ」

大粒の涙をぼろぼろと流すもう一人の王女を抱き締めると白よりも眩しい光が二人を包み込んで俺の視界を奪った。光は暫くそこにいた。
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