君がいればそれだけで。
眩しくて目を開けれずにいると、右肩をぽんぽんっと叩かれた。誰かと思い、目を開けると髪は短くなってしまったもののいつも通り笑っている王女が立っていた。でも、その隣には小さな女の子が隠れるように立っていた。

「王女・・・様・・・?」

「この子は魔女だった頃の私。この体をあのまま使わせるのは酷かと思ってね」

「この子が俺に会う前の王女様・・・」

王女に頭を撫でられたその子は満面の笑みを俺に向けてきた。何処と無く似ている。面影がある。でも、同一人物という割には似ても似つかない。この世界では王女しか知らない魔女であった頃の自分。
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