君がいればそれだけで。

九章・振り出し

このままじゃ

何だろう。どうしてなんだろう。事情はあまり分からないけれど、魔女であった王女を好きになれないのは反抗心でもあるからなのか。新しい物好きというか、他の家来たちが魔女であった王女を好いてそっちばかりを構っている。王女に対しての嫌みがまた始まり始めているんだ。

「あの、王女様。放っておいて本当に宜しいのですか。このままでは俺たちが来た頃に逆戻りです」

「そうね」

「そうねって・・・。何も対策しないのですか」

俺の質問に素っ気ない返事をしただけじゃなく、リズレイドの質問にも何も言い返さなかった。どうしてそこまで関心が無いんだ。