君がいればそれだけで。
今回も俺たちの出る幕はないのかと落ち込みかけた時だった。騒ぎを聞き付けたクヲラと魔女であった王女が人々を掻き分けて入ってきたんだ。人々はまた活気付いてしまったが、それもすぐに収まる事となる。

「皆と戦ってるの?」

「はい!ですがあなた様の助けが必要なのです!あなたさえいれば!」

「私、王女の味方なんだけど」

人々の言葉を聞き終える前に魔女であった王女は釘を指した。それもそうだろう。二人は信頼し、仲も良い。同じ人物であっただけあって考えている未来も対立していない。
戦う理由が無いんだ。人々は驚いているが、決して驚くような話ではない。
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