君がいればそれだけで。
自分たちの味方になってくれるという自信はどこから来ていたんだ。少し考えれば分かるはずなのに、その考えに至らないほど苦労知らずな生活を送っていたのか。それとも、ただ落ちぶれてしまっただけなのか。

「一時間なんだから早く動いた方が良いんじゃない?ここにいても故郷に戻っても待っているのは死しかないだろうけど?あなたたちが選んだ未来なんだから後悔は無いよね?」

「話は終わりました。手を出してしまわない内に出ていってください」

二人の言葉に部屋を出ていくしかなかったみたいだ。それもそのはず。ずっと守ってくれていた王女にもう守る意思が無いのだからそれでもそばにいたいなんて図々しい話がある訳がない。いや、俺たちが許す訳ないの間違いか。
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