君がいればそれだけで。
ベクウの身振り手振りを加えた説明でも分からないんだ。村人が訳の分からない出任せを言っていたのは確かなんだろう。根拠や証拠があれば何となく理解できるはずだからな。でも、助けてもらっておいて礼の一つもないのは感心しないな。俺たちの国では助けてもらえば敵の作戦であっても礼は言うぞ。作戦であれ、助けてもらった事には変わり無いからな。

「お前ら、少し良いか」

「はい、どうぞ」

「すまない、寝る所だったか?」

二人の話を混乱しながら聞いていると、寝室の扉が叩かれた。パルさんの声が扉越しに聞こえ、入ってもらうと俺たちの軽装を見て寝る所だったのかと謝ってきた。
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