君がいればそれだけで。
争いに巻き込まれてしまうような所にでもいたのかと辺りを見渡したが出てくる気配は無し。見える所にはいたが、魔女であった王女側に付いていた女中に囲まれてこちらへ来ようともしていなかった。

「あなたが起こしたこの騒動、責任はしっかり取って頂きます。早くこちらへ来なさい!」

「・・・やっと、本性を表したんだね。その顔、鏡で見た事ある?」

「出ていってください!」

王女の怒鳴り声に怯んだ女中の腕を払いのけ、不適な笑みを浮かべながら近付いてくるジーニアという女中。身の危険を感じないのかと思えてしまうほど、余裕を見せてくる。
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