君がいればそれだけで。
王女の怒りの沸点に触れているにも関わらず、なぜ笑みを浮かべながら近寄れるのか。すぐに戦闘になるのかと思って戦闘体勢に入った。

「そんなに怒らないでよ。可愛い国民の我が儘じゃない?私たちの国を差し出せ、この国から出ていけなんてさ」

「あなたの母親のようになりたくなければすぐに出ていきなさい。私はこの町だけで十分です。他の町や村を好きに使えば良い。とっとと出ていって」

王女は突風を起こし、人々を軽く吹き飛ばして本気である事を伝えていた。ジーニアは顔を歪め、怒り狂った表情に変わっていった。母親のようにと言われた事が頭に来たのだろうか。
力の差がありすぎるという事実を理解できないのだろうか。立ち上がり、王女に掴みかかろうとした時だった。
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