君がいればそれだけで。
特に王女は評判が悪くなった所でこれ以上被害を被る人もいない。パルさんが悲しむくらいだろうが、仕返しなんて考えるような人ではないだろう。

「なぜ俺を呼んだ?」

「命に終わりが欲しいの。永遠の命に終わりが来る事を願っているの」

「万の血の話か?」

王女は俺の問い掛けに力無く笑った。万の話には続きがあるんだ。ほとんどの人々は万の血を浴びるとその種族になってしまうと思っている。でも、全種族の血を万浴びた時に永遠の命を得られる。それだけの命を奪ってきたのだから罰として永遠に生き続けろという話らしい。
もし自分の手で殺し続けてきたのなら殺して欲しいなど言わないだろう。
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