君がいればそれだけで。
「王女から聞いた。暗殺者だったんだってな。手間を掛けさせてすまなかった」

「もう訳が分からん!誰が何のために俺を呼んだんだ!」

「俺にも分からない。ただ、王女ではないと思う」

花壇を眺め、葉の一部が枯れている事に気が付いた頃にパルさんが一人でやって来た。王女が捜していた理由って俺の事を話すためだったのか。
混乱した脳では敬語なんて使える余裕など無く、強い口調で叫んでしまった。でも、パルさんは至って冷静なまま分からないと腕を組む。一番近くにいるパルさんが、分かっていない事を俺が知る訳もない。このまま混乱しているだけなら物理的に距離を置いた方がマシだ。
< 35 / 300 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop