君がいればそれだけで。
仮にそうであったとして、なぜ精霊の国王が依頼人が明かされる事を恐れなければいけない。何かまずい事でもあるのか。
ヒューが依頼人である事も考えられるな。俺が殺し損ねた時、医師であるヒューならば急所を狙う事も毒殺する事も可能だろう。兵士だと言って潜り込んでいればそんな知識があるはずないと逃れられるし、バレていても手は尽くしたと言い切れる。兵士としてここに来たのは医師の誇りが邪魔をしたからなのかもしれない。
ただ、ヒューだけを疑ってもいられない。もしこれが依頼人の仕向けた罠だったとしたら俺が手をかけなくても、王女は殺される事だろう。でも、依頼を進行しやすくするための配慮とも考えられる。より確実な物にするためにわざと仲間内での疑惑の目を引き出させ、王女の警備を薄くするよう考えたのか。
もし、ヒューに注意を向けさせる罠であったとしたなら依頼人はラズハルドかリズレイドか。
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