君がいればそれだけで。
よくは分からないけれど、いつも言っていた。消えて良い命は無い、自分の人生くらい自分で選べ、他人に押し付けるな。当時の私は何も知らないくせにとその言葉に腹を立て、絶対生きてやると思っていた。でも、王女は決してそう思わせるために言っていたのではないんだよな。

「あの、王女様。いつも仰っていた言葉なのですが・・・」

「ごめんなさい。その話は帰ってきてからでも良いですか?」

「どうなされました?」

王女の表情は笑顔から真剣で険しい表情に変わってしまった。何か気に触る事でも言ってしまったのだろうかと思っていると、パルさんの質問に町の名前だけで返答していた。
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