君がいればそれだけで。
人々は王女に触れられたというだけで避けるから、あまり介入しないようにしているのだ。今日のように本当に危ない時だけ駆け付けるけれど、怖がられているから直ぐに離れる。それも全て人々が幸せに暮らすためだとでも思っているんだろうな。

「あなたたち、本当に最低ですね。助けられた恩を忘れたのですか?また元の地獄に戻りたいんですか」

「あの王女に俺たちを見放せるわけ無いだろう!脅そうとしたってそうはいかないからな!」

「脅してなどいません。王女様がその気になれば世界が滅んでしまうという事をお忘れですか?」

町の人々は一度反論しただけだった。
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