君がいればそれだけで。
恩人を侮辱されても黙っていられるほど大人ではないからな。何とかして今の状況を変えたい。そう思いながら王女の背中を見つめていた。どうせ人々は助けなくても王女へ文句言うのだろうから現場へ行かせない訳にもいかない。

「王女様、少し人々を甘やかし過ぎではないのですか?」

「そうかもしれませんね」

「ならなぜ自分たちで解決させようとしないのですか?」

「内部で争いが起きるから」

王女が言うには、前に到着が大幅に遅れてしまった事があったらしい。その時の人々はまだ悪く言う者はおらず、大丈夫だと許してくれたそうだ。でも、大丈夫という言葉は上辺だけだったらしい。
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