君がいればそれだけで。
言いたくない時にちゃんと断れない王女だからこそ、訊いてはいけないような気がしたんだ。でも、何かあるのかシオラは喋る口を止めようとしない。俺が聞きたくても訊けなかった質問まで平気で問い掛けていた。

「敬語も無しで話しましょう。私はあなたの本心が知りたい。なぜ執着してほしくないというあなたが寿命のある命を助ける事に執着し、悔いるのですか?」

「いい加減にしろ、シオラ。訊いて良い事の区別くらい、付けられるだろう」

「私は我々以外の命はいらないと思ってる。だから逆の考えを持っている王女様の気持ちを知りたい」

王女の気持ちを知っているからなのか、パルさんは質問攻めするシオラを止めていた。
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