君がいればそれだけで。
「生きていられる期限があるという意味では似たような物であると」

「あなたの口癖もそこから来ているのですか?」

「・・・分かりました。お話しします」

シオラの質問攻めに等々折れてしまった。王女はため息を吐きながら座り直すと、俺たちも座って聞いていくようにと指示した。笑ってはいたけれど悲しそうな表情をする王女に戸惑いつつ、円になるように座ると王女の口癖がどこから来た物なのか話してくれた。
まだこの国を作る前、種族での戦争が今より頻繁に起こっていた時代。王女はまだ普通の町娘として友と遊んでいたそうだ。戦争は知っていたものの、危険が及ぶほど近くで行われていた訳でもないので実感もなかったのだとか。
< 87 / 300 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop