私だけのヒーロー
3組、3組、3組……あった!
春休みが終わり、新学期と共に新しいクラスが発表され、高校2年生、初日がスタート。
教室にはすでに何人かいて、楽しそうに話をしている。
黒板の真ん中には、席順が書かれた紙が貼ってあり、3人の男の子がはしゃぎながら見ていた。
私は、その人たちの後ろに並び、順番を待つことにした。
「いえーい! 1番後ろの角ゲットー!」
すると、1人の男の子が嬉しそうにそう叫びながら、勢いよく振り返り、教壇から私の方へとジャンプしてきた。
とっさに逃げようと体が反応したものの、自分の運動神経ではついていくことができず、見事に足が滑り、バランスを崩した。
まるでスローモーションのように体が宙に浮き、天井が視界に入る。
しかし、この後、私は床に体を打ちつけることはなかった。
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