群青色の空
「斉藤さん、どうして呼ばれたか分かっていますね?
……この際なので言いますが、斉藤さん。
あなたはうちの学校においてはっきり言って迷惑な存在です。
三村さんを怖がらせたり、クラスメイトを怖がらせたり、何がしたいんですか?」
「……」
「斉藤さん。あなたは本当は喋れるんですよね?
なのにどうして喋らないんですか?
喋りたくない理由があるなら聞きます。
ここに筆談用の紙があるので書いてください」
「……」
わたしには喋りたいことも、書きたいことも、何もない。
気持ちなんか理解してもらわなくていいし、されたくない。
「……まあ、ここは私立ですし。
学費をあなたのご両親はきちんと納めていらっしゃるし、あなたの成績だって優秀ですし。
もったいないですよ、こんなことをして」
この人はわたしの何を分かっているんだろう。
とりあえずわたしの籍を置いて進学実績の材料にしたいだけなのだろうか。
わたしはあんた達の道具じゃない。