群青色の空
次の日、わたしは教室の中で糾弾されていた。
何も知らない間に。
当事者以上に周りが知っていた。
昨日のことを振り返っていると、1人の男子に後ろから羽交い締めされて教壇に立たされた。
「お前、最低だな。ビンボー人」
何言ってんの、こいつ。
「こいつ、最低だな!
昨日三村の財布を盗んだんだってな!」
「人としてあり得ねー!」
「金に困ってんのになんでうちの学校にいんだよ!」
「えーまじで?
斉藤さん、ありえないんだけど」
「酷くない?」
「やり方が汚ーい」
「ここいる価値ある?」
「酷いし汚いし人としてありえない」
「窃盗」
「犯罪者」
「刑務所行け」
「はいみんなー!
今から斉藤さんに罰を与えたいと思いまーす!」
パンパンと手を叩いてやって来る。
カノンが泣き真似をするリサに代わってクラスを仕切っている。
その目には、リーダーとしてクラスを動かすことが出来る喜びが宿っていた。