群青色の空
ドアを閉めて時計を確認すると、もう授業まで時間があまりない。
鞄はずっと持っているから何もされていない。
たまに後ろを振り返ってみても追いかけてくる気配はない。
誰かに壊されるくらいなら、自分で壊してしまった方がいい。
その方が、傷つかない。
涙が出そうになって喉のあたりが熱かったけれど気のせいだと思う。
教室に入った時にちょうど先生が入ってきて、授業が始まった。
何も分かっていない馬鹿そうな数学の先生。
淡々とノートを取っていく生徒。
やる気が出なくて教科書をずっとぺらぺら捲っていると、指名された。
前に出て行く時、リサがばれないようにクスクスと笑っていた。
何かするんだろうなと予想がついた。
答えを書いて席に戻ると、大量のノートが置かれていた。
何冊か見てみると、どれもリサとその取り巻きのものだった。
「……酷い!斉藤さん、人の教科書を使ってまで内職するなんて!
授業は聞かないといけないのに……!」