群青色の空




何言ってんの、こいつ。



「え、なんで!

あたしの教科書もある!」



ざわっと教室の空気が変わった。



ああまただ。



わたしが犯罪しました、みたいな空気になるの。



先生もわたしのことを疑ってるし。



なんで気付かないかな、リサがやっているって。



内職なんて汚れた教科書でなんかしたくもないし。



……あいつなら後で助けてくれるんだろうけど。



でももうわたしがあんな態度取っちゃったから誰も味方なんていないし。



親にも言いたくないし。



「斉藤さん。あなたのせいで授業がいつも中断されるんですよ。

それに対して何も思わないんですか?

謝りなさい」



なんでわたしが。



絶対に謝らない。



じっと先生を見て無実を証明する。



いつの間にか、本当に教室で声が出なくなっていた。



まあ都合が良くてラッキーだけど。



「斉藤さん、本当にやったんですか?」



もう面倒くさそうな顔だ。



わたしだって面倒くさい。



首を縦に1回振った。




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