名前を呼んで、好きって言って
お説教
病院で検査した結果、翔和君は数日入院することになり、柊斗さんは何針か縫ったらしい。
病院に行く途中に学校に連絡したから、検査中に立花先生と、保護者替わりということで京峰先生が来た。
「バカだとは思ってたが……まさかここまでとは」
処置を受け、ベッドに座る翔和君を見て、先生はため息をついた。
「立花くん、そんな褒めないでよ。照れちゃう」
「褒めてない」
「ありゃ」
また大きなため息。
「喧嘩の理由は?」
それに関しては、誰も答えなかった。
私も口止めされたから、言えない。
でも、どうして言うなと言われたのかはわからなかった。
「京峰翠と月城柊斗は学校に戻って反省文。春木翔和は退院したら書けよ」
「えー」
「傷触るぞ」
先生は翔和君たちが喧嘩したことに対してかなり怒っているのか、少し扱いが酷かった。
それなのに、翔和君は笑っている。
「じゃあ京峰先生。あとは頼みます」
「はい。あ、翠と柊斗、もう少しここにいさせてください。話があるので」
「わかりました」
そして立花先生は一人で帰って行った。
「……お前ら、俺にも隠せると思ってるか?」
「……やっぱり藍ちゃん先生にはわかっちゃう?」