名前を呼んで、好きって言って
番外編
紅羽と柊斗
初めは私の弟と仲がいい子、くらいにしか思っていなかった。
でもいつしか、私以外の人と仲良くしているところを見ていたら、イライラして仕方なかった。
「……ねえ、しゅう」
「なに? くーちゃん」
しゅうは白線の上を歩いて遊んでいる。
「私のこと、好き?」
しゅうは不思議そうに私を見る。
そして柔らかく笑った。
「うん、好きだよ」
それは。
「じゃあさ」
幼い私の。
「私のことが好きなら」
最低で最悪な。
「私以外の人と話さないで」
可愛くないわがままだった。