名前を呼んで、好きって言って
クラスメイト
教室に入ったときには、もう朝のホームルームが始まっていた。
「春木翔和、京峰翠、月城柊斗。お前ら三人遅刻な」
毎朝保健室で会っていた先生が、そう言って出席簿に記入している。
「ちょっと待って、立花くん。俺たち今日はただの遅刻じゃないから」
「なんだ、ただの遅刻じゃないって」
春木君が少し動いたことで、私は立花先生と目が合う。
先生は驚きを隠せないようだった。
「誰、あれ」
「転校生?」
「一年の六月なのにか?」
教室内が一気に騒がしくなる。
私が恐れていたのは、これだ。
カバンを握る手に、自然と力が入る。
そしてみんなの視線から逃げるように、春木君の背中に隠れた。
「秋保、おいで」
それなのに、春木君は私の腕を引いて、黒板の前に立った。
チョークを手にすると、私の名前を書き始める。
「この子は加宮秋保。俺の天使!」
満面の笑みで、とんでもない紹介をしてくれた。
みんなぽかんとしてるし、このなんとも言えない空気が耐えられない。
翠君たちに助けを求めて見るけど、文字通り頭を抱えて助けてくれそうもない。
この我が道を突っ走っていくのだけは、ついていけない。
「春木翔和、京峰翠、月城柊斗。お前ら三人遅刻な」
毎朝保健室で会っていた先生が、そう言って出席簿に記入している。
「ちょっと待って、立花くん。俺たち今日はただの遅刻じゃないから」
「なんだ、ただの遅刻じゃないって」
春木君が少し動いたことで、私は立花先生と目が合う。
先生は驚きを隠せないようだった。
「誰、あれ」
「転校生?」
「一年の六月なのにか?」
教室内が一気に騒がしくなる。
私が恐れていたのは、これだ。
カバンを握る手に、自然と力が入る。
そしてみんなの視線から逃げるように、春木君の背中に隠れた。
「秋保、おいで」
それなのに、春木君は私の腕を引いて、黒板の前に立った。
チョークを手にすると、私の名前を書き始める。
「この子は加宮秋保。俺の天使!」
満面の笑みで、とんでもない紹介をしてくれた。
みんなぽかんとしてるし、このなんとも言えない空気が耐えられない。
翠君たちに助けを求めて見るけど、文字通り頭を抱えて助けてくれそうもない。
この我が道を突っ走っていくのだけは、ついていけない。