名前を呼んで、好きって言って
本当、お姉さんみたいな人だな……
「もう、清花ばっかり秋保ちゃんと仲良くなってずるい」
夏恋ちゃんがヤキモチを妬いてくれた。
これもまた結構嬉しい。
「そのセリフ、翔和みたい」
「嘘、私、翔和レベル?」
それは一体どういうことだろう。
だけど、清花ちゃんは夏恋ちゃんの言葉には答えない。
「さ、応援しに行くよ。アイツらが優勝できないと、秋保ちゃんが打ち上げに参加できないんだから」
清花ちゃんに背中を押され、私たちは体育館に入った。
どうやらちょうど試合開始のようだった。
相変わらず翠君と柊斗さんはやる気なさそうで、春木君のやる気だけがみなぎっている。
「なんかさ、意外じゃない?」
試合の様子を見ながら、夏恋ちゃんが呟いた。
私たち三人は首を傾げる。
「翔和。もっと動けるイメージだった」
「……たしかに。バカだけどスポーツはできるのかと思ってた」
そう言われてみれば、そうだ。
私も勝手に、春木君は運動ができるものだと思っていた。
あのとき、自信満々に私にバスケを教えるって言ってたし。
「……わざとだったりして」
麗羅ちゃんが小声で言う。
「翔和がそんな器用なことできるわけないじゃん」