名前を呼んで、好きって言って
そんな私を、美桜と瑠衣は守ろうとしてくれるだろう。
だけど、そんなことをしてしまえば、二人も変な目で見られるかもしれない。
「学校……行きたくないなあ……」
自分が噂されるのも、いろんな人から見られるのも、味方になってくれる人が悪者にされるのも。
全部、全部嫌だ。
どうしてこんなことになったんだろう。
少し前までは友達もいて、学校が楽しくて仕方なかったのに。
ちょっとしたことでみんな敵になって。
私は一人になって。
一人がこんなに怖いなんて思わなかった。
逃げてしまいたい。
いや、もう逃げているか。
このまま、許される限り、逃げていたい。
そう思っていたのに。
「秋保、ちょっと話があるから出てきなさい」
もうすぐ冬休みになろうかというとき、お母さんが厳しい声で部屋の外から私を呼んだ。
出ないという選択肢はなかった。
部屋から出ると、リビングに連れて行かれた。
食卓テーブルにお母さんと向き合って座る。
「美桜がそっとしておいてあげてって言うから、秋保が学校に行かないことには何も言わなかったけど、秋保、高校はどうするの?」
美桜がそんなことを言ってたなんて……