もうそばにいるのはやめました。
「見ーちゃった」
「!!!」
ビクゥッ!!
体をのけ反らせる。
背後には、窓のふちにひじをついてるナツくんがいた。
「ナツくん!驚かさないでよ!」
「ごめんごめん。そんな怖がると思ってなくて」
笑わないでよ。
そんなにリアクションおもしろかった?
むっとして頬をふくらませる。
「ごめんって。コレで許して?」
ポケットから取り出したのは、いちごミルクのあめ玉ひとつ。
文化祭のときもチョコバナナをくれたよね?
子どもあつかいしてない?
「はい、あーん」
「……あむっ」
差し出されて食べちゃうわたしもわたしだけど。
……ん、甘くておいしい。
「なんかえづけしてるみたい」
なんですと!?
子どもじゃなくてペットあつかい!?
「それにしてもエンディングの反響すごいね」
「エンディングの影響力を身をもって知ったよ……」
「委員会も力を入れたからね」
「去年はどうだったの?」
「去年もこんな感じだったよ。エンディングで注目を浴びた生徒はアイドルみたいに騒がれてた」
あ、アイドル……。
それじゃあ円がエンディングで演奏していたら、今よりもっと人気になってたってこと!?
それはそれで辛いかも。