もうそばにいるのはやめました。






「はい、できたっす!!」


「おおー!」



1日の中でもっともふぬけた形相になる、朝。


寝起きに加えてむくみや腫れやクセなどもろもろ調子の悪かった姿が、たったの10分で見ちがえた。



鏡に映るわたしに感げきする。



湿気で大爆発だった髪がとぅるんとぅるんのさらっさら!


赤く腫れた目も昨日泣いたなんてウソみたいにぱっちり!



「さっすがハルくん!」


「これくらい朝飯前っすよ!」



結局ハルくんは昨日ウチに泊まった。
しかも本当に寝袋で眠っていた。


お父さんとお母さんは久し振りにハルくんに会えてよろこんでいた。


わたしだって家出じゃなかったらよろこんでたよ。



朝起きたらハルくんは先に起きていたし、なんならひととおりの家事を代わりにやってくれていた。

ハルくんの作ってくれた朝食おいしかったな。


そのうえこうしてわたしの支度も手伝ってくれて。



こんなに優秀な執事とずっと一緒にいたんだなぁ。


お嬢さまだったときは当たり前すぎて特別に思っていなかったけど、改めて見てみるとわりと優良物件なんじゃないの!?



見た目よし!腕よし!

仕事は早いし、勉強熱心。

センスもあって、主人思い。

頑張り屋で、かわいいところもある。



カンペキすぎる……!


ハルくんが挨拶に行かなくても、引く手あまたなんじゃ!?

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