もうそばにいるのはやめました。


無心で走っていたら教室に到着していた。


扉をスライドすれば、待ってましたと言わんばかりに穂乃花ちゃんが駆け寄ってくる。



「寧音ちゃん!!」


「お、おはよう穂乃花ちゃん……」



あわててどうしたの?


穂乃花ちゃんだけでなく他のクラスメイトも興味しんしんに注目してる。



わ、わたしなにかしましたか?

あっ、いつものくせっ毛じゃなくてびっくりしてる……ってレベルじゃないよね、これ。



「相松くんと付き合ってるって本当なの!?」


「なんでそのことを!?」



うわさ回るの早くない!?



「本当なんだ……」



うなだれる穂乃花ちゃんに次いで、クラスメイトもあいづちを打つ。



「本当らしいぜ」

「まじ!?」

「やっぱりか~」

「前にもこういううわさ流れたよね」



なっとくしないで!

わたし肯定してないから!!



「ち、ちが……!」


「こんなところで立ち止まってどったの~?」



否定しかけたところに武田くんが訪れた。



「竜宝さん、はよ~」


「武田くんおはよう」



よかった。武田くんはまだうわさを知らないみたい。



「そういやさっき聞いちゃったんだけど、円と付き合い始めたってマジ?」



知られてた!!

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