もうそばにいるのはやめました。
ハルくんってストイックというか、向上心が高いというか。
そこもハルくんのいいところだよね。
ハルくんがなっとくできるまで頑張ってほしいな。
テストに執事の勉強に…………って、ん?
テスト!?
『ま、円……』
『ん?』
『うちの学校もテスト近かったりする……?』
『ああ、再来週だな』
『!?』
『……まさか、知らなかったのか?』
完全に頭から抜けていた。
そうだ。文化祭が終わったらテストというものがあった。
コツコツ勉強をしてやっといい点をとれる典型的な努力型なのに、委員会で忙しすぎて全然勉強できてない!やばい!!
『……来週、俺んち来るか?』
『え?』
『勉強、やべーんだろ?』
『い、行くっ!!』
これってデート!?
デートだよね!
勉強してなくてよかった!
……っていやよくはないけど。
初デートだよ!やったね!
内心はしゃいでると、ハルくんが笑顔で円に近づいた。
『もし姫を泣かせたらようしゃしねぇっすから。それに……あきらめる気ねぇっすよ』
なにやらボソボソと耳打ちをしていたようだけど、あのときなんて言っていたんだろう。
ためしに円に聞いてみてもだんまりだった。